メディア掲載情報

2013年02月04日

介護コンサル会社を傘下に シノケングループ 高齢者向け住宅展開へ

投資用アパート・マンション販売事業をグループ傘下に持つ(株)シノケングループ
(福岡市博多区博多駅南1丁目、篠原英明社長)は昨年11月に介護事業コンサルティングの
(株)リクロス(同市中央区、跡部宗教社長)を子会社化、介護関連事業に参入した。



シノケングループでは、これまでLPガス供給販売の(株)エスケーエナジーやビル管理の(株)ケイビイエム(現(株)シノケンアメニティ)、マンション開発・販売事業の(株)日商ハーモニー(現(株)シノケンハーモニー)など不動産関連事業に密着した分野を中心にM&Aや業務提携に取り組んできた。今回子会社化したリクロスはサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の企画や、既存の住宅をバリアフリー化など改修し、高齢者向け賃貸住宅に用途変更、転用するコンバージョン企画、必要に応じて入居者が介護サービスを選択できる「高齢者サポート介護サービス選択型賃貸マンション」など、高齢者向け物件で600戸を手がけた実績がある。


高齢者向け住宅を中心とした介護関連事業への参入について、篠原社長は「介護サービス自体は異業種になるが、高齢者向け住宅の企画・開発は土地活用の一種でもあり、既存の不動産事業に関連する分野と捉えている。超高齢化社会において施設など受け皿の需要が高まる中で、専門企業と手を組んで当社のノウハウを生かすことができればと考えていた」と3年ほど前から参入を意識し、提携やM&Aを視野に入れて介護関連企業を探していたという。


介護事業に関する実績とノウハウを持つ企業がグループ内に加わることで、入居のターゲット層も広がる。「通常の賃貸住宅では万が一のときの対応や日頃のサポートに関する責任を持つことができないため、これまで高齢の方の独居はお断りしてきた。しかし、専門企業を子会社化し高齢者向けのサービスを提供できるようになれば、高齢者を新たに取り込むことができる」と管理物件の入居率向上に期待する。


現在は既存物件のオーナーを対象に、コンバージョンの提案を進めている。リクロスが企画する「高齢者サポート介護サービス選択型賃貸マンション」は、必要に応じてサービス内容を選択できるのが特徴。要介護2までの高齢者を入居対象に入居しやすい料金で、基本的な介護、医療、食事のほか、24時間対応のコールシステム、端末を携帯させる見守りシステムなど、選択できる生活支援サービスを充実させるという方針だ。


高齢者向け住宅で当面の目標は100戸。本格的な事業開始にあたり、12月には介護関連事業の統括会社として(株)シノケンウェルネスを設立。リクロスを事業会社に位置づけ、今後、シノケンウェルネス以下で、サ高住のほか住宅型有料老人ホームの展開なども視野に入れ、介護関連事業の拡大を図る。


また、今年は投資用アパート・マンション開発・販売事業の(株)シノケンハーモニーにシニア住宅事業部を設置する。「需要が高まるサ高住の受注体制を確立していく。介護関連事業を、不動産と並ぶ新たな柱に育てていきたい。空室対策だけでなく、収益物件として付加価値も高まる。全国に管理物件があるので、各地で展開していければ」と話しており、全国展開していく意向だ。第1号として、すでに東京で物件の取得・登録に向けて準備を進めている。


今後のM&Aについて、篠原社長は「これまでにも、企業との業務提携やM&Aで事業領域を拡大してきた。当面は、さらなる需要拡大が見込まれる介護関連について、積極的に展開を進めたい」と力を込める。M&Aのポイントは、既存事業に関連付けられるものであるかどうか。「シナジー効果が期待できるものに絞って、今後もタイミングが合えば参入を考えたい」と、さらなる新規事業についても前向きな姿勢を示した。


ふくおか経済 2月号

2013年02月04日

M&A視野にシニア事業への参入加速

シノケン、あなぶき九州が高齢者住宅展開へ


高齢者向け住宅の展開を皮切りに、介護関連事業参入に踏み切る動きも地場企業で見られ始めた。中でも住宅開発を専門とする不動産事業者の参入意欲が高く、介護方面のノウハウを獲得するためのM&Aにも積極的な姿勢を見せている。


投資用アパート・マンション販売で地場大手の(株)シノケングループ(福岡市博多区博多駅南、篠原英明社長)は11月、介護事業のコンサルティング会社(株)リクロスを子会社化、12月に介護関連事業を統括する(株)シノケンウェルネスを新たに設立し、介護事業への参入を果たした。サ高住をはじめとする高齢者向け住宅の展開を見据えたもので、篠原社長は「サービスの面では確かに異業種だが、住宅の企画・開発という点では土地活用の選択肢の一つであり、不動産事業との関連性は高い」と捉える。賃貸住宅を開発するオーナーの選択肢を増やす意味でも、今後はシニア市場の開拓が重要になると考える。


リクロスは、制度の開始直後からサ高住の開発企画を手がけてきたほか、高齢者向けのサポート体制を整備した住居のコンバージョン(建物の転用)などもリリースしてきた豊富な実績を持つ。これまでシノケングループの賃貸住宅では高齢者の入居を受け付けておらず、高齢者層は同社のターゲット外の市場だった。今後はリクロスのノウハウを活用し、高齢者向け賃貸住宅の新規開発や既存物件のリニューアルを進めていく構えで、賃貸市場でのすそ野を広げ、「管理物件の入居率向上につなげていく」ことが狙いだ。


近く、マンションの開発や販売を担う子会社・(株)シノケンハーモニーにシニア住宅事業部を設置するほか、さらなるM&Aも視野に介護関連事業の拡充を図る。介護のサービス面では新たにフォローすべき領域は幅広いが、サ高住を展開できる受注体制を急ピッチで整備し、「シニアビジネスを不動産事業と並ぶ当社の柱にしていきたい」と篠原社長は構想する。


また、分譲マンションを主力とする不動産業者からも、サ高住の展開に乗り出す動きがある。四国に本拠地を置くマンションデベロッパー・あなぶき興産九州(株)(福岡市博多区御所町、土居年典社長)は昨年4月、社内にシニア事業の専門部署を設け、新たな市場開拓に着手している。


同社グループは高齢者向け住宅の普及拡大を全国的な重点方針に定めており、これを軸に分譲マンション特化型の業態からの転換を図っている。「浮き沈みが激しいマンション販売一本では、安定した収益を維持するのは難しい。これからはシニア事業のような『ストックビジネス』に重点を置いて、強い収益基盤を構築していかなければならない」と土居社長は参入の背景を語る。賃貸で安定収益が期待できるサ高住を中心に、シニア事業を展開していく構えだ。
すでにグループでは西日本を中心に10施設以上(オープン済み含む)の施設が計画されており、今後3年ほどで40棟、2000室程度を展開する計画だ。当然、九州でも今年は施設展開に着手するべく検討が進んでおり、「まずは、九州7県全てで高齢者向け住宅や施設を設置することが目標」と意気込みを語る。また同社も「事業拡大に必要な部分では、積極的にM&Aも検討していく」と考える。


ここで取り上げた両社ともに、国の制度では住宅型有料老人ホームよりもサ高住の活用に重点を置いている。「住宅」という性格上、介護施設よりもハード、ソフトともに比較的自由度が高いことから、不動産業者にとって参入の間口が広い制度であることが伺える。


だが、ハード面の企画・開発は専門分野だが、介護や生活支援などのソフト面については異業種のノウハウが必要とされる。シニア事業もすでに競合企業が数多い競争市場であり、事業のスピードを上げるためにはM&Aが不可欠と言える。今後も高齢者住宅に参入する企業が増え続ければ、地元介護業界で再編の流れが生まれるかもしれない。



ふくおか経済 2月号

2013年01月15日

九州・沖縄企業 M&A17%増の76件 成長分野への参入目立つ

九州・沖縄に本社を置く企業が関わった2012年のM&A(合併・買収)の件数が、11年比17%増の76件だったことが分かった。東日本大震災前の10年(78件)に迫る水準だが、リーマン・ショック前の07年(150件)に比べるとほぼ半数にとどまる。成長分野への新規参入が目立った。業種別では、人口減少に伴う国内市場の縮小を背景に卸や小売りといった流通関連などが多かった。
M&A助言のレコス(東京・千代田)が12年末までに判明した案件を集計した。資本参加や事業譲渡も含む。


目立ったのは、成長が見込まれるシニア向けビジネスへの参入。住宅販売のシノケングループは11月、介護事業コンサルティングのリクロス(福岡市)を買収。サービス付き高齢者向け住宅の開発・企画で実績がある同社を取り込み、シニア向け住宅を強化する。


損害保険ジャパンは同社を中心につくる高齢社会戦略1号投資事業有限責任組合(東京・千代田)を通じ、ジャスダック上場のシダーに出資。有料老人施設などを全国展開する同社を組み、介護分野を強化する。


業種別では流通関連が17件と最多。ベスト電器は12月、第三者割当増資でヤマダ電機の子会社になった。酒類店チェーン大手で仙台市が本社のやまやは10月、食肉販売などを手掛ける明治屋産業(福岡市)から、福岡・山口両県で展開する酒類販売事業を譲り受けた。


次いで多かったのはIT(情報技術)関連の10件。企業向けソフト開発のドリーム・アーツ(東京・渋谷)は1月、データセンター運営のインデックス沖縄(那覇市)を子会社化した。


海外案件では、カードローンのKCカード(福岡市)が10月、韓国子会社を通じて地場銀行を買収した事例など、いずれも海外事業を買収した3件。円高下でも3年連続で同数にとどまった。「現地での経営ノウハウ不足」(福岡市のIT企業幹部)などが理由と見られる。


一方、M&Aの合計額(判明分)は前の年に大型案件があった反動で601億円と14%減った。


【九州・沖縄企業が関わったM&Aの主な案件】

1月:久光製薬が医薬品メーカーの祐徳薬品工業(佐賀県鹿島市)の株式15%を取得

3月:豊田自動織機が西部電機の株式7.3%を取得、業務提携も

4月:日本水産が水産冷凍食品製造の金子産業(長崎市)を買収

6月:ダイドードリンコが果物入りゼリー製造販売のたらみ(長崎市)を買収

12月:全日本空輸がスターフライヤーへの出資比率を約18%に引き上げ

※レコフ調べ


日本経済新聞 2013年1月12日付朝刊

2013年01月07日

新会社設立し介護事業へ参入 不動産販売好調、業績予想を上方修正

株式会社シノケングループ(篠原英明代表取締役)は十二月三日、介護関連事業とその経営指導を主な事業とする子会社、株式会社シノケンウェルネス(本社・東京都港区、篠原英明代表取締役)を設立しました。


同グループは十一月、介護事業に関するコンサルティング業務を主たる事業とし、「サービス付き高齢者向け住宅」等の開発企画や、既存賃貸住宅の高齢者向け賃貸住宅へのコンバージョン企画などを手がける株式会社リクロスの株式を取得、連結子会社としており、同グループの主力事業である不動産関連事業と介護関連事業との融合により、更なるグループシナジーの追求をめざすとしています。今後、新たに介護関連事業の事業会社を設立する方針で、シノケンウェルネスが介護事業を統括していくことを想定しています。


また、同グループは、八月に発表した平成二十四年十二月期通期連結業績予想について、利益面で当初予想を上回る見込みとなったため、業績予想を上方修正すると発表しました。
修正の主な要因としては、1フロービジネスである不動産販売事業について、既にアパート販売事業において前年実績を大幅に上回る販売実績を達成していることに加え、第4四半期における販売状況もアパート、マンションとも好調を維持している2ストックビジネスデある不動産賃貸管理事業、金融・保証関連事業等についても、管理戸数の増大に伴い、安定収益の確保が一層推進されている3業績好調のため、金融機関からの借入の調達コストが低減することにより営業外収支が向上している―ことを挙げています。修正後の業績予想は次の通り(カッコ内は前回予想との増減額)。


▽売上高/二百三十五億円(同)

▽営業利益/十八億八千万円(三億八千万円増)

▽経常利益/十五億八千万円(四億八千万円増)

▽当期純利益/十四億八千万円(五億三千万円増)


不動産住宅ジャーナル 2013年1月号

2013年01月07日

M&Aで介護関連事業に参入

「不動産関連事業とのシナジー効果で事業の柱に」

篠原英明 シノケングループ 社長


―11月に介護関連コンサルの株式会社リクロスを子会社化し、介護関連事業に参入されるそうですね。管理物件への高齢者の入居を促進するということですか。

篠原 もちろんそうです。われわれが建設したマンション、アパートに住んでいただくことで社会貢献にもなると思います。

ただ高齢者に住居を提供するだけでなく、介護サポートや24時間対応の通報、デイサービスへの送迎などお年寄りに安心して住んでいただけるサービスなど、「安心・快適」をキーワードに、株式会社リクロスがこれまで蓄積してきたノウハウをフルに活用するつもりです。

‐御社のアパートは若者向けというイメージがありますが。

篠原 これまでは若者向けの物件でしたが、今後は、徐々に高齢者向けにコンバージョン(転換)を図りたいと考えています。超高齢化社会に突入し、誰もが高価な介護施設を利用できるわけではありません。よりリーナズブルな価格で、十分な安心と快適性が得られる、高齢者の方々に、そんなサービスを提供したいですね。

―今回の経緯は。

篠原 高齢者向けの事業を意識し出したのは3年くらい前からです。裾野が広い分野なのでその頃はどこから手を付けるかという判断はしていませんでしたが、業界動向もふまえ、当社の主力事業である不動産関連事業とのシナジー効果も期待できると判断し、今回のM&Aも以前から物色していたわけです。

―12月3日付で介護関連事業統括会社の株式会社シノケンウェルネスを設立しましたが。

篠原 12月中旬にリクロスをウェルネスの100%子会社にしました。ウェルネスは介護関連事業の統括会社、事業会社がリクロスという体制でいきます。

ウェルネスでは将来的には住宅型老人ホームなども視野に入れ、また来年にはシノケンハーモニーにシニア住宅事業部を設置して、サ高住(サービス付き高齢者住宅)を受注する体制も構築します。今後この分野はもっと広がりが出るでしょう。これからはアパートやマンションの「販売」だけに頼らない事業展開を考えています。

―この事業の数値目標は。

篠原 売上高などの数値はいまのところ考えていませんが、いずれ不動産と並ぶような事業の軸に育てていきたいですね。

―2012年12月期の業績予想を上方修正されました。利益が大幅増になりそうですね。

篠原 営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高になります。経常利益は約80%増です。アパート、マンションの販売が好調で、加えてストックビジネスもしっかり伸びました。また借入金の返済で金利が下がり、資金調達コストが軽減できたのも大きな要因です。

しかし過去には、耐震偽装問題やリーマンショックなど厳しい時もありましたからね。われながらしぶとく生き残っているなと思います(笑)。

―来年の見通しは。

篠原 まだ業績的なことは言えませんが、マーケットとしてはいい状態が続くと見ています。全事業とも好調に推移していますからね。


ふくおか経済 2013年1月号